まるめがねのまわり道

ペーパードライバー歴15年の主婦の活動記録

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まるで抜歯のよう?!電柱の撤去と地下に消える電線

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ペーパードライバー歴15年の主婦、junechildです。

 

電線のある夕方の風景って風情があって良いなあと思う一方で、クルマの運転をしていると電柱!邪魔!!と思っている自分がいます。

電線類の地中化が進められている地域も多いですよね。

今回はそんな電柱と無電柱化ついて書きたいと思います。

抜歯のように電柱を抜くところを目撃!

もう数ヶ月前のことですが、隣町の大通りで工事をしていました。

自転車で信号待ちをしていたときにその様子をしばらく見ていたのですが...

 

なんと!電柱をゆらゆらとゆすりながら抜いていたのです。

 

親知らずを抜いた経験がある方はわかるかと思いますが、まさにそんなイメージです。

ペンチのような巨大な重機がグラグラと根本を緩めているような状況でした。

 

電柱ってそうやって抜くのかと、衝撃を受けた出来事でした。

 

無電柱化は昭和から

電線の地中化を進めているというのは昔から言われていて、私も高校生ぐらいの時には何となく知っていました。

 

国土交通省のサイトを見ると、無電柱化の整備自体はもっと前の昭和61年(1986年)から行われてきたことが書かれています。※1

 

その目的もいくつかあって、

  • 良好な景観を形成するため
  • 歩道を広げて安全性・快適性を確保するため
  • 災害時に倒壊した電柱による道路の寸断を防止するため

とあります。※2

 

 

ネットで調べてみると、様々な自治体の無電柱化の計画を見ることができて、

私が目撃した現場の自治体でも「良好な景観を形成するため」に電線類の地中化を進めていることが計画に書かれていました。

 

電柱を撤去し、隣町の大通りの景観は確かによくなりました。

 

 

◆出典

※1: 国土交通省「道路:無電柱化の進め方」
https://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/chi_09.html

※2: 国土交通省「道路:無電柱化の目的」より要約
https://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/chi_08.html

 

電柱の数は増加傾向

そもそも日本全国の電柱はいくつあるのでしょうか。

 

国土交通省の資料によると、全国の電柱の数はなんと!

 

約3,600万本 !!! ※3

 

日本の人口が約1億2000万人だとすると、

3~4人に電柱一本

ということになります。

多いな~というのが私の率直な感想ですが、生活を支えるにはこれだけの電柱が必要なんだな~と改めて気づかされました。

 

 

そして、総務省資源エネルギー庁がまとめた令和4年度の調査資料に、新設した電柱(電力柱)の数と撤去した数を載せています。

それを見ると

新設した数は撤去した数よりも 5.7万本多い

ことがわかります。※4

 

◆出典:

※3:  国土交通省「電柱の増加要因を踏まえた新設電柱の抑制に向けた対応方策について」 1ページ目 
https://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/pdf/22-01.pdf

※4: 「令和4年度新設電柱調査結果概要」https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/other/pole/data231110.pdf

電力柱は増加していますが、通信柱の数は減少していることが書かれています)

 

新設される電柱の数が多い理由

上記の調査資料には、電柱(電力柱)を新設した理由の内訳もあって、

  • 更新・支障移設等 — 約15.1万本中 約8.2万本(約55%)
  • 供給申込・再エネ — 約15.1万本中 約6.9万本(約45%)

とあります。※5

 

前者の「更新・支障移設等」の理由で新設した電柱は、同じ理由で撤去されている電柱の数も同じくらいあるので、新設数が撤去数を上回る大きな理由ではないように感じます。

 

一方、「供給申込・再エネ」には、

  • 市街地の開発事業等によるもの
  • 個別の家屋建築等に伴うもの
  • 再生エネルギーの発電設備に接続するため

に新設した電柱が含まれています。

 

令和3年度の内訳をみると個別の家屋建築等で新設した数が大部分を占めています。(資料には令和4年度の内訳の記載なし)※6

 

分譲の新築戸建など一度に何軒も建築する時に、電線を地中化してしまえば良いのでは?と思ったのですが…

 

様々な要因があるようですが、コストがネックになっていて低コストで済む電柱の新設が選択されていることが国土交通省の資料に書かれています。※7

 

そのため、電柱の撤去は進んでいてもそれを上回る数で新設されていて、電柱の合計数は増えている、ということです。

 

※5: 「令和4年度新設電柱調査結果概要」https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/other/pole/data231110.pdf

※6:  国土交通省「電柱の増加要因を踏まえた新設電柱の抑制に向けた対応方策について」 2ページ目 
https://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/pdf/22-01.pdf

※7: ※6と同資料 3ページ目

 

海外では電線の地中化は進んでいる?

日本の無電柱化の話をする際、海外では電線の地中化はかなり進められていることが引き合いに出されますよね。

 

海外の電柱の統計などは別の機会に調べたいと思いますが、

今回は地図アプリのストリートビューで電線に注目しながら探検してみました。
(限られた時間で見ているので、あくまでも私が探索した結果です)

 

オランダ

確かに、市街地でも少し離れた住宅地と思われる場所にも電柱や電線は見当たらなかったです。

結構色々な地域を探索しましたが... 電線どこ?という印象をうけました。

 

イギリス

バッキンガム宮殿の周りの観光地を探検してみましたが、電線等は見当たらなかったです。

しかし、少し離れた住宅地のようなにいくと電柱や電線がありました。

 

アメリ

ニューヨークの中でもニューヨーク市を見ると、電線等は見当たらなかったです。

しかし、少し都市部を離れて住宅地と思われる場所に行くとありました。

 

 

日本の電柱はどうなるのか考えてみた

うちの周りの大きな通りの無電柱化は進められていて、確かに景観はよくなりましたし、災害時に倒れてくる心配はなくなるし非常に安心です。

 

運転初心者の身からすると狭い道の電柱こそなくしてほしい!というワガママな気持ちがあるのですが...

工事のコストや交通規制のことを考えると、狭い道でほんの数本の電柱をなくすために電線の地中化を行うのは難しいのかな、と感じています。

 

しかし、無電柱化するための対策は練られているので、いつか電柱の撤去数が新設数を上回る時が来るのかな、とも思います。

 

 

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